かず

マイスモールランドのかずのネタバレレビュー・内容・結末

マイスモールランド(2022年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

社会性と面白さとクオリティのバランスがとれた傑作。

数多のマイクロアグレッションや日本の難民の現状が酷すぎるが、青春恋愛もので笑える場面も多くてびっくり。

ロミオとジュリエット的な王道の叶わぬ恋の展開になるが、恋愛を引き裂くのが入管という斬新さ。
「橋」のモチーフも◎。

会計を瞬時に暗算する藤井隆、よかった。俳優陣が豪華なのにも驚いた。

撮影が良いなと思ったら、撮影監督は「ドライブマイカー」や「人数の町」の四宮秀俊さん。

日本社会に溶け込むために、ヘアアイロンで髪質を隠し、出自を偽り、私生活も友達に明かせない。

ジェンダーや人種などアイデンティティを偽ると、自分が何者かわからなくなり、どんどん実存的不安が増す。嘘をつくと、他人も信用できなくなる。そうして心を閉ざしてしまう。

エンドクレジットの「名前を出せないけれど協力してくれたクルド人の方々」で涙腺やばかった。

こういう人種差別が頻発する原因は、「我関せず」の姿勢を貫く日本国民の無関心である。
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