Kazu

ライトハウスのKazuのネタバレレビュー・内容・結末

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


今作もそれぞれいろんな考察があり答えのない面白い作品だと思います。

分厚いパンフレットも娘が購入しておりましたが未読でレビューをします。
おそらく読むとネタバレ内容に引きずられそうになるので。

私の個人的な感想です。

映像も内容も全てが不気味、

そして男性しか登場しない事(人魚も男性かも?)灯台が真正面に聳える男性のシンボルのよう、なのに・・・

"強い男"が登場しない!

男性のあらゆる弱さを登場人物に投影している様にも思え、
男性特有の醜い本性の全てが描かれている作品なのではないかと。

男性からすると反論したくなるレビューかも知れないけれど、ごめんなさい🙏


何でも自分の思い通りにしたがる、人を見下し自分が常に一番で正しいと思い込み、その場しのぎの嘘をつく、

特に1800年代の男なら殆どが女性に対しても、部下に対しても、立場変わらずこの様な男性は多かったのではないでしょうか?

そして、その様な男達に見下された男は自分よりも下位の男達に同じ行為をして行く、ホモソーシャルな縦社会です。

虐げられ見下された男が女にも見下された時、その男はどうなるのでしょうか?

酒に走るきっかけになる事がいちばんの理由です。

アルコール依存により男性ホルモンの低下から勃起不全など男性性機能障害を引き起こす、男性であって男性でない、

2人がゲイ傾向があるかないかはこの作品では断定されていないのでわからない。

しかし、女性的な面やナヨナヨ、メソメソした女々しい場面もあり、ちょっぴりコミカルな面もあって笑ってしまった。

デフォー演じるウェイクは一言でいうと、全てが汚い男、とにかく生理的に受け付けない部類の男。
それは、醜く汚く理不尽な現代社会をウェイクに重ねている様に思え、
相反するパティンソン演じるウィンズローは抑圧され搾取された労働者。


前半は1人の人間の内と外を2人の人間に擬えている様に思え、

中盤は2人の本音が立場を逆転させ、

その後は狂気の2人が一つになっていく様子が2人の名優によって見事に演じられ素晴らしい作品に仕上がったのではないかと私は感じた。

映像はタルコフスキーの『僕の村は戦場だった』を思い起こさせる美しいモノクロ、

内容はどこかベルイマンの『ペルソナ』を感じさせる作品でした。


前日、全米オープンテニス🎾を見ていたので4時間睡眠で映画館に、
「お母さん絶対寝落ちするから」と言っていたのに、一瞬も見逃さず鑑賞できた凄い作品です。

追伸
パンフレットをこれから読みます。
そして感想が変われば追記します。


追記

いゃぁ〜中々面白いパンフレットでした。

そしてエガース監督がベルイマン監督をリスペクトされている事、
日本では黒澤明、新藤兼人監督の作品もインスパイアされている事がとても嬉しかった。

個人的には新藤兼人監督の作品の中で『鬼婆』がいちばん好きなのでパンフの中に題名が載っていた事だけでもテンション上がりました。
Kazu

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