Kazu

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのKazuのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます



世界各地に先住民族虐殺の歴史はあるけれど、今作の舞台は米オクラホマ州…

利権絡みの虐殺、金を目的に姻族となり、虫でも殺すかのようにあっさりと感情のない殺人に虚しさと怒りを感じた。

その描き方には、目的の為ならどんな悪事でも働く白人が、先住民の命を軽く扱っていたのだよ、と監督や企画を持ち込んだディカプリオの意図が伝わる。

特に妻モリーを毒殺する過程は悍ましく、インシュリンに少しずつ毒薬を混入する夫アーネストをディカプリオが心底悪人になれない小心者を素晴らしく、いやらしく演じていたのが、余計にイライラムカムカしたのだ。

先住民族虐殺の実態は最近では、ドラマ『アンという名の少女』で触れていましたが、
カナダで寄宿学校跡地から未成年215人の遺体が発見された事です、
先住民同化政策の一環として、1863年から1998年までの間に15万人以上の子供が家族から引き離され、寄宿学校での生活を強制されていた事件、
ドラマがシリーズ途中で打ち切られることなりました。
そして、今後公開される『オッペンハイマー』で、1942年ロスアラモス国立研究所がニューメキシコ州北部での核実験がどう描かれているのか?がとても気になっている。
その地にも先住民やラテン系入植者が住んでいだ訳で、人が誰も住んでいない場所ではなかったからだ。

移民である白人が、先住民族を迫害する歴史を風化させない…
そんな思いに全力を尽くした監督のエネルギーに感謝したいと思います。
苦労様でした。




最後に、モリーを演じたリリー・グラッドストーンがG.G賞で先住民女性として初めて主演女優賞を受賞した事は、歴史的快挙なんだと鑑賞後改めて感動した。

彼女のスピーチは素晴らしく、少しだけ自分の言語を使ってスピーチ出来ることに感謝をされていましたが、ほんと、救われた気持ちになった。
ケリー・ライカート『ライフ・ゴーズ・オン』で印象深く残っていた女優さんであったが、今作のモリーがリリーとは途中まで全く気づかなかった😅
ごめんなさい🙏




追求

華々しいアカデミー賞のステージでオセージ族が民族舞踊を歌曲賞として演じた光景は胸がいっぱいになり涙が溢れた😭
Kazu

Kazu