ぽん

ライトハウスのぽんのネタバレレビュー・内容・結末

ライトハウス(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

閉鎖空間で人間が壊れてっちゃう「シャイニング」(1980)みたいなホラー。
モノクロの映像はそれっぽいけどコントラストが中途半端に思えた。ここはハイ・コントラストで禍々しい画にしてほしかったなーと。

実際に起こった事件をベースに神話テイストを被せて表現してみました、という作品のようですね。パティンソンが火を盗むプロメテウスで、デフォーが海の神プロテウスなんだとか。Wikiをちょろっと見る限り、プロメテウスとプロテウスは直接絡んだりしてないので、神話そのままじゃなくて、あくまでもそれぞれのキャラクターを仮託してるってことなんでしょう。
その辺りの教養があると「あ~、あのエピソードを描いてるのね」と楽しめるのかも。神々といったらモンスターエンジンの「暇を持て余した神々の遊び」しか思い浮かばないアホ脳の自分はポカーンとなってしまった。でも、こういうハナシは好き。

自分が所属する場所内で仲間を蹴り落してテッペン取ろうとするのはオスの生存戦略。ここでは2人しかいないからより一層アホくさい。規則では交代で入ることになっている灯室を、デフォーのおっちゃんが独占。キツイ力仕事を全部パティンソンに押し付けてマウント取る。(ちなみにメスは所属集団の外部に敵を仮想して連帯する戦略をとるらしい)

結局、最後もおっちゃんのみみっちいお山の大将根性がカタストロフを生むという、老害ネタみたいになっちゃうのだけど、それを絵的にはアートっぽくスカしてやってるのが面白い。パティンソンが見る人魚の幻想が美しくも怖く魅惑的。

そして海鳥ちゃんの憎々しい演技?も見どころでしょうか。めちゃくちゃ陰険な顔してるのよ、奴ら・・・。
ぽん

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