ぴろぴろ

ナポリの隣人のぴろぴろのレビュー・感想・評価

ナポリの隣人(2017年製作の映画)
3.5
「ナポリを見て死ね」と言うほど風光明媚なナポリ。 観光地とは違う陽気さの薄いナポリの生活の場を舞台に、家族との関係を取り戻せずにいる老弁護士と 彼を取り巻く家族や隣人の物語。
娘の立場で観てしまったが、このお父さんったら最後までずっと身勝手。 寂しさや孤独を隣人家族との家族ごっこで紛らわせていた様だけど、違うでしょ?という感想。 でもやっぱり娘だから見放せないんだろう。
オープニングで娘が通訳をしているシーンで、言っている事が必ずしも真実とは限らない、人間は嘘をつくし二面性がある事を見せていた。 分かっていてもどうにも出来ない理不尽さや不条理、無力感を描いていたのかな。
同じく家族の再生を描いた「運び屋」の様な分かりやすさや爽快さは無いけど、ヨーロッパ映画らしい余韻が残る映画だった。
アパートや街並み 狭い通りも、やっぱりナポリは美しい。 そして俳優陣の演技が素晴らしく、特にファビオ役の男優さんのヤバさが良かった。
「幸せは目指す場所ではなく帰る家だ。 行く先にではなく後ろにある」 じんわり響いた。
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