サーフ

ホワイト・ボイスのサーフのネタバレレビュー・内容・結末

ホワイト・ボイス(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

思ってた以上にイカれた映画だった…

序盤は主人公のサクセスストーリーの面が強く描かれている。
この場面での主人公の行動は感情移入しやすく、後味の悪い選択だけれどこの選択が後半の描写に活きてくる。
この選択があったからこそ主人公の「精神的な孤独」が見ている人にも伝わる。
終盤のサイコな展開に対しても主人公への感情移入がしやすいから「もう後には戻れないどうしようも無さ」「最悪な所へ急速に転がり落ちる様子」がハッキリと伝わってくる。

この前半での見せ方が電話かけたらデスクごと相手先に転送される様な場面やチープ差がある住む所のランクアップの仕方など結構シュールな部分が多くて個人的には好き。

後半は一転してイかれた展開。ある人物のどうかしている考え方は「ゲット・アウト」を思い出す。地下の部屋でショボい演出のビデオ見せられる件はまんま「ゲット・アウト」。

全体通してだとこの映画は資本主義や人種差別に対する風刺が印象的。

「黒人だからラップうめーんだろ?」というステレオタイプにギッチギチにはめようとする件は中々の気分の悪さ。そしてそれに対する最低な差別用語しか出てこない所もまた別の気分の悪さ。

ただ最後に異形な人間と主人公が話す下りで主人公が会話の知能レベル明らかに落として喋るのはまた別の差別感じて嫌になった。

資本主義・人種差別に対する風刺も盛り込みながらシリアスになる場面は皆無と言っても良く、コメディ部分もちゃんと笑える。それでいて後半以降はトンデモ展開になり、ラストは衝撃的。
見終わると「どうかしてんな…」という感想が真っ先に出てくる。そんな映画。
サーフ

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