eulogist2001

プロミスのeulogist2001のレビュー・感想・評価

プロミス(2001年製作の映画)
4.0
この作品の子供たちを見ていると、結局は大人たちの教育が対立の下地を作り、挙げ句の果てには大人たちの損得感情に子供たちを巻き込んでいるようにしか思えない。

パレスチナ人とイスラエル人の子供たちは10歳にも満たない年齢で政治を語り、紛争について自らの意見を明確に持っている事にも驚きだが、そうした状況に今もなお生きている事を想像すると、子供たちにそんな事を強いている世界は果たしてどうなのだろうか。

紛争解決の手段として、対立する国同士の子供を第三国で交流させるのはどうだろう。偏見や利害関係を代表する立場に染まりきらない段階、あるいはまだ柔軟な思考があるうちに互いへの理解を深める事は和平には強力な一歩になるのではないか。

相手に対しての無知により、不安や恐怖に駆られた人間が最も過激な行動に走るのはいつの時代も変わらない。まずは相手への理解を若い時に育む仕組みこそ必要ではないか。

素直にまっすぐな心で相手を理解することは、実は大人になってからでは遅い。

隣人を愛せよ。その素晴らしさを小さな時にしっかりと経験出来る社会、世界であってほしい。それは完全に大人の役目だ。
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