一週間で2回見た。
「騙し絵の牙」というタイトル、そして「ウソを見破り、ウラを暴け」というコピーは若干ミスディレクションな気がする。
パズラー的なミステリ要素よりもドラマを楽しむのが正解ではないだろうか。ウソに乗りながら終着点へ加速する。さながらサーフィンのように。
上記のささいな違和感はさておき、ここからは良かった点を述べていこう。特出すべきは役者陣の熱演だ。特に高野演じる松岡茉優の芝居が大変良い。
二階堂「時間だよ」
高野「時間」
この間はスタンディング・オベーションに値する。実に見事だ。
そして舌を巻くのが映画音楽だ。マスロック調のテクニカルなバンド演奏が本作の二面性を力強く印象付けている。
演出もニクイ。図書カードだけでその人となりを表現するという昨今邦画がよく罹患する「何でもキャラクターにしゃべらせてしまう病」とは一線を画す技が光る。
Project KIBAという本作を貫く大きな軸にも丁寧な仕事で見事な料理にしあげている。
いやー単純に面白かった。おすすめです!