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若おかみは小学生!のTSのレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
3.8
【温泉宿で成長していく小学生】81点
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監督:高坂希太郎
製作国:日本
ジャンル:アニメ
収録時間:94分
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2018年劇場鑑賞93本目。
これは中々の良作。フリーパスでなければ見ていなかったでしょうから感謝。ベタなところもありますが、完成度は高い。日本の温泉宿文化をゆったりとしたタッチで描いている感じがしました。

小学生のおっこはある日交通事故により両親をなくしてしまう。それからおっこは祖母の経営している温泉宿、春の屋に住むことになるのだが。。

描き方はややアイドルタッチであり、絵的に抵抗を覚える人もいるかもしれません。しかし、幼い時に両親を亡くしたという強烈な不幸を抱えたおっこが主人公ですから必然的に彼女を応援したくなります。さて、彼女の前にウリ坊という少年の幽霊が現れます。何故幽霊が見えるのかは置いといて、彼と話をしながらも、若女将としておっこは春の屋の手伝いをしていきます。このあたりは『千と千尋の神隠し』を見てる気分になります。客もちらほらやってきますが、花の湯温泉を観光地化したといっても過言ではない巨大温泉施設には敵わない。そしてその娘である真月と対立するおっこが面白い。普通は怖気付いてしまうところですがおっこは1mmもひるまない。こちらとしても気分爽快であります。

さて、今作はそのおっこが春の屋でさまざまなお客を相手にして成長していく姿を描いています。とても小学生6年生とは思えない口調、振る舞いでやや非現実的ですが、こうやって客の心を癒していくのだなと思わされました。温泉宿というのは疲れた体を癒す場所。ライバルの巨大温泉施設もそれはわかっているようでして、花の湯温泉全体の良き動きが垣間見れます。

今作の衝撃は終盤にありますが、彼女の心強さには圧倒されてしまいます。同じシチュエーションであの判断ができる人は果たしてどれだけいるのやら。アニメながらも映像は非常に綺麗でして、特に料理のシーンには食欲をそそられます。是非ご覧ください。
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