やすやす

愛唄 ―約束のナクヒト―のやすやすのレビュー・感想・評価

愛唄 ―約束のナクヒト―(2019年製作の映画)
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公開時に劇場で観ましたが最近レンタルにて再観賞。
横浜流星さん演じる主人公が健康診断で突如ガンで
余命数カ月と告げられます。良くも悪くもいわゆる
「余命もの」でストーリーも予想の範囲に留まり悲
しくて切なくはあるけど良作ながら傑作とは言い難
い。
ではなぜレビューを書いたかというと私自身の苦い
体験と重なる点があったからです。

今作公開の2年前に人間ドックで「膵臓に異常の疑
い」との診断結果を見てビックリ仰天。何しろ何の
自覚症状も無かったので。「沈黙の臓器」の言葉と
共に同年夏に観た大好きな作品「君の膵臓をたべた
い」が思い浮かびました。夏にキミスイにハマって
その後の冬に自身が「膵臓に異常」って…。いやい
や、そんな偶然あるのか??
今まで膵臓のすの字も意識したことないのに…
誠に恥ずかしながらキミスイ見て無かったらドック
の診断結果を見ても「すい臓」って読めなかったか
と。
膵臓の病に侵されたヒロイン浜辺美波さんの気持ち
をお前も味わえって神様に告げられた様な気持ちに
させられました。
早速、再検査で職場近くの内科に行ったらドックの
結果を見て「膵炎の疑いがあるので血液検査をしま
す」と凄く深刻な表情で医師に言われてますます血
の気が引きました。え、もしかして命に関わるのか?
俺、死ぬの??
そりゃ今までの人生で死にたいと思ったこともある
けど現実に死を突き付けられた恐怖たるや目の前が
真っ暗になり食欲も無くもう酒に溺れる様になりま
した。
幸い血液検査の結果で膵臓には問題無さそうと言わ
れましたが異常な高値を示すある血液項目の原因究
明の為に大学病院に通って検査が続きました。
最終的に「問題ない」と言われるまでの半年間は生
きた心地がしなくて何もする気が起きなかった。
それだけに今作で横浜流星さんが演じた主人公が清
原果耶さん演じるヒロインと恋仲になって互いに励
まし合い残された命を燃焼し尽くそうとする姿は眩
しく映る。2人は共に病と闘う戦友なのだと思う。
絶望の中で生きることの意味を懸命に見いだそうと
する2人に勇気付けられ心が洗われる様な素敵な作
品です。そう思えたのも流星さん、清原さんの心の
こもった熱演があったればこそ。
うーん、これはやっぱり傑作かもしれません。

個人的なちっぽけな体験を読んで頂きありがとうご
ざいましたm(_ _)m
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