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パークのnagashingのレビュー・感想・評価

パーク(2016年製作の映画)
3.5
キアロスタミのラストカットを彷彿とさせる超ロングショットに瞬間的に心惹かれつつも、無作為をよそおった作為のあざとさがきわだつ前半には総じてげんなり。が、影が差していく男女関係に日照の変遷がシンクロする中盤でU字カーブを切った。フィクショナルな転調を風景のリアルな変遷に託してしまう心意気と、それにたしかな説得力をあたえる日没のグラデーションの豊かさがアッパレ。男性の暴力性を呑み込む強力な女性性が発現するラストはいろいろと配慮しすぎな感があり微妙。個人的には、若い女の子の傷心につきあわされつつも寄りそってあげるオッサンが、「巻きもどし」中の彼女の回復と引き換えに人間性を失って「森の妖精」へと変容してしまうメルヘンあたりで留めておいてくれたほうが好み。
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