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ある女優の不在のditaのレビュー・感想・評価

ある女優の不在(2018年製作の映画)
3.5
@シネ・リーブル梅田   

今風?のことばで言えばキアロスタ「み」がかなり強い印象。いつから○○みってことばが使われるようになったか知らんし日本語の変化についてあれこれ言うつもりは全くなくて、使いやすいように変わっていくのが言語だと思うけど、わかりみってなに…?

さておき。

桜桃の味やん!オリーブの林をぬけてやん!とかお師匠さんオマージュ盛り沢山でキアロスタみ、違ったキアロスタミ好きからすればちょっと意識しすぎちゃう?そっちが目立ちすぎたらあかんのと違うかと思ったけど追悼ってことなんかね。にしても、おばあさんがいきなり穴の中に寝てたらビビるわ、てか笑てもた。

フィクションとリアルの混在から浮かび上がる村社会の閉塞感と女性の地位、そして芸人についてってことなんだろうけど、パナヒはきっとわたしたちとは違う次元の表現者だから、言いたいことはそれだけじゃないんだろうなぁとも思った。あの村に対しては誰もが違和感を覚えるし、風習や慣習、弱い者やはみ出し者への暴力にも憤りを感じるんだと思う。ただ、例えばあの村を国に置き換えたら、あなたたちの思考回路は止まってしまいませんか?村人=国民として見てみたら、同じことをしていませんか?という投げかけなのかもしれないと思ったり。知らんけど。

終わってから、3人で来ていたマダムたちが口々に「難しいテーマやねぇ…」とおっしゃりながら劇場を後にしていた。まぁ包皮を紙で包んでどやこやするとかわたしたちは考えたこともないからねぇ…難しいねぇ…。
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