Aria

ブラック・クランズマンのAriaのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.8
憎しみに居場所なし

自分が毛嫌いしている相手に気付かず同士だと心を許すという構図、いかに差別意識が上っ面なのかを皮肉っていて見事。

笑い事では済ませられない現実に震え、ラストの映像、現実には戦慄すらした。
思い返すと捜査チームのように温かく、心広くユーモアを交えて差別を笑い飛ばせるような人たちが増えればいいのになと思う。

ゲラの巡査部長が可愛いすぎた。
ロンが電話かかってきて嬉しそうに部長呼んでたあたり、最初の電話のやりとりの話をロンが部長にして、部長も「次掛かってきたら聞きたい!呼んで!」ってきゃっきゃしてたんだろうな…笑
爆笑してるのが可愛いすぎる。


そしてスパイクリーはヘイト稼ぐのが上手い。あの煽り脚本は過激な差別主義者も顔真っ赤にして暴力に出てきそう…

面白い事に間違い無いんだけど
アカデミー賞作品賞はなるほど選ばれなかった訳だなという感じ。

ロンやフリップを観ていると自分の環境に置き換えて考えてしまう。アジア人、日本人差別だって無い訳ではない。

韓国、中国で互いに憎悪しあってる人たちがいることも知っている。

日本人絶対悪な団体があったとして、そこに自分が潜入して、目の前でさんざん貶され、自分でも悪口を言い、潜入した先で日本絶対悪な映画で大盛り上がりしてる光景を目の当たりにしたらどうだろう。
しんどい。

フリップの潜入は「踏み絵」させられているような心が壊されていくような痛みを感じる。そもそも差別ってそういう事なんだよなぁ。
Aria

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