まめまめちゃん

ブラック・クランズマンのまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.8
黒人警察官のロンは、ユダヤ人で白人の刑事フリップと協力して、白人至上主義団体「kkk」に潜入捜査をすることに。そこでは2人の想像をはるかに超えた黒人やユダヤ人へ差別発言、人権侵害発言の雨あられ。しかも命まで狙われかねない状況となり…という物語。

これまで黒人というだけでできないことがあって、しかもそれが常識として通っているアメリカの闇を描いた作品はいくつか見てきましたが、黒人に対する白人の明確な悪意を表現した作品は最近になってようやくでてきたように思います。もしかしたら世界で観賞される1本として世に出ることがなかったのかもしれません。この深刻さは差別される側に立って初めてわかることであり、この世界が依然として白人至上主義なのだと気づかされます。

いじめとか差別なんてものは自身のコンプレックスから生まれるものだと思ってきたのですが、白人社会で生きていく厳しさに敗れた人々がこのような差別活動を推進しているのだとすれば、この白人社会の構造の闇にも触れた本作は画期的だと思いました。

見ているときは軽い気持ちでも、見終わった後に重苦しい気持ちでいっぱいになる映画です。