Azmin

存在のない子供たちのAzminのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
4.2
物凄い衝撃を受けた。
そして、素晴らしい作品に出会えたと思う。
「2021年に見た映画ベスト3」に堂々入る。

イスラムの貧民街に住む12歳の少年ゼイン。
両親は大勢の子供を抱え、日々の食べることにも困るような貧しい生活。
お金の為に、幼い妹を若者に売ってしまうところを目の当たりにしたゼイン、そのまま家を出て自分らしい生活を模索していく。

こんな小さな子供なのに、頭が良く分別もあるのには驚き。
そして自分で生きる知恵をしっかり持っている。
彼をかくまい共に生活する、エチオピアからの難民女性の話も交えながら、一瞬たりとも目の離せない展開。

最後では、両親に自分の出生証明書も作って貰えず、「こんな子供が生まれて恨んでいる」とまで言われ、これに懲りずにまだ子供を作る2人を訴えるゼイン。
裁判を起こした理由が「僕を産んだ罪」」とはホントにあっぱれだと思った。

ここに登場する殆どのキャストが、役柄と同じような境遇だと言うから、なおさらリアルで説得力がある。
ゼイン役の男の子も本当に可愛くて、哀愁を帯びたような雰囲気が何とも魅力的。
ラストで見せるはにかんだ笑顔が忘れらない。
すでに将来が楽しみ。

こんな作品を見てしまうと、つくづく日本は恵まれているなぁと感謝が溢れると同時に、色んなことを考えさせられる。また観たい。
Azmin

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