たいてぃー

存在のない子供たちのたいてぃーのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
3.8
レバノンの現状って、こんなになってるのか!難民は貧困にあえぎ、子供たちは学校にも通っていない。
主人公ゼインは、12才。そのゼインが薬を購入するシーンが出てくる。それを砕いて、服に漬け込み刑務所へ持ち込む。母親がこの犯罪に子供たちを加担させている。酷いよ。
ゼインの妹サハーに月のものが始まるが、ゼインは、これを隠そうとする。バレるとなんかあるのか?サハーに言い寄る男を伏線登場させている。そして、強制的に児童婚。いくら貧困でも、こりゃないよ、嘆かわしい。
家出したゼインが出会う、黒人女性ラヒルとその息子で幼いヨナス。ラヒルは在留資格を失いそうなエチオピア人。ヨナスを狙う人物がいて、狙いは人身売買。これも悲惨な話。でも、ゼインがスケートボートにヨナスを乗せ、使えそうもない鍋を売りに出るって、シーンが好み。心が洗われる。
この映画の肝は、ゼインが両親を訴え、裁判するってものだが、ここまでやる必要があるのか疑問。他のシーンがいいんで、ちょっと浮いてる感がして、取ってつけた感がして、・・・。
役者はほぼ素人のようだが、それを感じさせない。臨場感がすごいためか。それとも監督の力量なのか。