本人や関係者たちの回想と並行しながらドラマが進行していく構成の妙。シリアスなタッチで何ともスットコドッコイな顛末が描かれていくのが面白い。
中でも、実話の本人が、ドラマ上でこれから犯行に向かう主人公たちの車を見送るシーンが秀逸でした。
『現金に体を張れ』など犯罪映画を見ながら手口を参考にする場面で、棚に並んでいたケイパーもののDVDが、これまたマニア心をくすぐるラインナップで、もうタマラン。思わず画面を一時停止してチェックしてしもたわ（ちなみに『レザボア・ドッグス』『ユージュアル・サスペクツ』『オーシャンズ11』『ハート・ブルー』といった現代メジャー作品から、古典では『華麗なる賭け』『男の争い』『スティング』『明日に向って撃て！』『ゲッタウェイ』『ミニミニ大作戦』『サンダーボルト』、さらにマニアックなところでは『ザ・クラッカー』『ザ・ドライバー』『ザ・プロフェッショナル』『マッチスティック・メン』 まで）。
要するに、ゴルフでいろんなプロの教則本を読んで、いろんな先生の言うことを聞いて、万全の態勢でスイングしたら空振りしてしまいました、ってのと同じでしょうな。
