舞台向けの脚本か、舞台劇の映画化のどちらかという感じ。つまり台詞が多いけど、抑制とシニシズムは適度に利いているので、ぐったりはしない。各キャラクターに充てられたスタイリングも、印象的。そして密室劇だからか、観ているこちらの集中力も高まり、あっという間の90分だった。
ロッシが出ている映画は、アルモドヴァル作品以外、駄作が多いのだけど、本作は珍しく、彼女のキャラクターをうまく使いこなしている。
また本人の演技テクが、しっかりと向上していたのを確認できた。今後ますます活躍してくれそうなのが、うれしい。
