Yoshishun

アラジンのYoshishunのネタバレレビュー・内容・結末

アラジン(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

もう誰がなんと言おうと、ウィル・スミス。
何がなんでもウィル・スミス。
青いウィル・スミスから黒いウィル・スミスまで、様々なウィル・スミスを堪能できるウィル・スミス劇場。

ストーリーはアニメ版と大きな変化はなく、1人1人のキャラクターは細かな変更が加えられていた。特に主人公二人の性格の改変は大きく、アラジンは同じ境遇の子どもにパンを与えるといった優しさの表現が少ないせいで更に悪く見え、ジャスミンは気に入らない王子を役立たず呼ばわりするほど横暴さが目立っていた。見た目に関しては、国王はアニメ版と比べ可愛さが減り、ジャファーは登場してしばらくは悪役に見えなかった笑

歌って踊るシーンは多くはなく、なおかつ台詞をそのまま歌詞として歌い上げるものも少ないため、かなり見易いミュージカル映画だと思う。アラジンの嘘がばれ、自分の立ち位置を歌うシーンはかなり嫌いな演出だったが、ジーニーの自己紹介など、歌と映像でしっかり楽しませてくれる演出も多い。

各々が自分の願いを叶える一方、それを叶えるために欲が出てしまうのは人間の性。ある者は"王子となり、プリンセスと結婚したい"、"結婚は自分で決め、国王として民を見守りたい""二番目ではなく、頂点すなわち1番になりたい"そして"自由になりたい"という願いを持つ。欲を満たすことに執着することで自分の価値観を変え、自分のあり方を根本から覆しかねない。この欲というものをうまく(というか、わかりやすい位に)描けていた。

城内の装飾や街の景色など、まさか実写でこんなに映えるとは思いもしなかった。ただ有名なホール・ニュー・ワールドにのせて国を飛んでまわるシーンは画面が暗いせいでどこがどこどかわからないし、CG感がここで露骨に出てしまったのが惜しいところ。
しかし、映像自体は実写作品の中でも一級品で、ジーニーの登場シーンはこれでもかと魅せてくれる。ストーリーは無難である以上、まさにマジックともいえる映像世界で勝負しているようだった。

都合の良すぎる展開はさておき、本作はウィル・スミスと映像を楽しむべき。正直ウィル・スミス以外は、パンフレットがないとあまり思い出せない。それくらい彼のはまり役で、彼が主役の作品だった。そして吹替えの山ちゃんも最高。
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