池井戸潤の短編集みたいな原作を映画化したもの。
出演者も一部かぶってて、濃い演技もあって昭和な半沢臭がプンプンしやがる作品です。いや俺も半沢は好きですけどね。
ま、原作者お得意の隠蔽もんですな。だいぶ前に原作も読んでますが、この人の作品の中でもゆるーく読めた記憶があります。で、映画版はえっらいシリアスで重厚な作風が強調されてますね。こりゃ間違いなく半沢ファンをメインターゲットに捉えておりますな。
舞台となるのは昭和の悪習の残る企業で、ノルマ達成のためならヤバいことでも平気ですんのが俺の古巣の風土と似ておる。なのでこういうトコに勤めているならあるあるが堪能できるんじゃあないでしょうか?(でもこの会社、まだそこまでブラックじゃないかも)
古い体質の企業ではまだまだこんなことが残ってそう。最近はコンプラが厳しくなってんので、隠蔽なんぞしようものならどこかで発覚して大ダメージを受けますがね。
今では、優秀な人材ならこんなトコはさっさと見切りをつけて転職した方が年収もアップするので、ある意味では時代劇みたいなもんですな。
気になるのはラストで日本人の性質みたいなもんを語ってまして。歴史にある程度詳しいならお分かりでしょうが、主君に滅私奉公すんのが侍だ!みたいなイメージは江戸~昭和の封建制を支える朱子学的な価値観であって、決して日本人のDNAに刷り込まれてるわけじゃ~ない。このお説教を垂れるなら隣のでっかいお国にしてさしあげましょうぜ。
・・あ、そっか!考えたらこれは時代劇なんだからそれでいいのか?