ゴミ箱島代表ひもる

七つの会議のゴミ箱島代表ひもるのレビュー・感想・評価

七つの会議(2018年製作の映画)
3.0
この作品のテーマは、現代の日本企業の闇を的確に捉えています。不正や従業員の過度な労働など、企業としての利益追求を第一に考えている労働の現状を明確に描いています。しかし、そんな中での責任者の苦悩も少しではありますが描写しています。
また、非常にこわばった表情の豪華な俳優陣の演技は、物語全体を地味な絵面になってしまう会話ドラマを盛り上げてています。俳優の顔相撲を見るだけでもかなり面白いです。
企業ものという少し難しいジャンルですが、丁寧に説明されているので、特に知識がなくても楽しめます。誰もが楽しめるエンタメ性が高い作品です。
しかし、これが映画と呼べるかどうかは疑わしいです。映画は、映像的に物語を語る映像芸術です。もちろん、ある程度のセリフで説明する必要はありますが、ほとんどセリフで説明するだけではテレビドラマのような映画になってしまいます。
セリフで全てを言うといえば、1番の問題はエンドロールです。 主人公の八角がテーマ的なスピーチをします。本編を見て、観客が考えるテーマの結末を言ってしまうなんてありえません。この感じは、『劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ救急救命-』のエンドロールにも似ています。
作品の内容は、詰め込みすぎて消化されていないところもあります。 特に彼の家族の問題と彼が20年間ぐうたら社員だった理由はあやふやです。