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七つの会議のKUBOのレビュー・感想・評価

七つの会議(2018年製作の映画)
4.5
1月7本目の試写会は、池井戸潤原作「七つの会議」。

予告編から、一癖ある野村萬斎のキャラと超パワハラ上司の香川照之の対決シーンに、期待MAXでの鑑賞。

冒頭から予告編通りの香川照之のパワハラ炸裂! 僕ミッチーが嘔吐するほど精神的に追い込まれる中、しっかり居眠り&不敵な笑いの野村萬斎! いいキャラだなぁ。一気に引き込まれる。

仕事中は居眠りばかりで、会社のお荷物と呼ばれているこの野村萬斎演じる「八角さん」が、なぜかリストラされずに一目置かれている。

それのみならず、八角さんの謎に触れようとした社員は、次々と左遷されていく。八角さんとはいったい何者なのか? 八角さんの抱える過去とは?

この不思議で、何を考えているのかわからない、それでいて魅力的なキャラは、まさに野村萬斎だからこそ。その鋭い眼差しにグイグイ引き込まれる。

また、この野村萬斎の存在感に一歩も引けを取らない香川照之の演技もさすが! この二人の競演でしかなし得なかった映画だろう。

「下町ロケット」のスタッフ総結集ということで、原作池井戸潤、監督福澤克雄はもちろん、ナレーションもドラマと同じ松平定知なのだから、馴染みのあるドラマの雰囲気がプンプン。

スタッフのみならず、キャストも、朝倉あき、土屋太鳳、立川談春など、ドラマでおなじみの俳優さんたちが、違った役柄で再び顔を合わせる楽しさもある。

中でも注目したのは、前半の主役と言ってもいい朝倉あき! ドラマでは竹内涼真とコンビのちょい役だったけど、映画では探偵顔負けの大活躍!

また、ブランチで「僕もちょっと出てる」とか言ってたオリラジ藤森が、実は台詞も多いし、かなり存在感のある役柄。意外に(?)よかったんですよ。

もちろん、大企業と下請けとか、どんどん池井戸潤らしくはなっていくんだけど、本作は野村萬斎の「色」が池井戸潤の作風を上回る。他の役者だったらこうはいかないだろうな。

そして終盤は、まさに野村萬斎VS香川照之、渾身の演技バトル! 期待以上の熱い演技に圧倒される! 期待MAXで見て、期待以上の見応えを感じられる作品なんてそうそうない。とりあえず、今年の邦画のNO.1です!
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