にしやん

ワイルド・スピード/スーパーコンボのにしやんのレビュー・感想・評価

3.5
外交保安官のルークホブスと元犯罪者のデッカードショウがお互いに反発しつつもコンビを組んでデッカードの妹ハッティを守り、過去最強の敵、「悪のスーパーマン」ブリクストンに対決するっちゅう話や。「ワイルドスピードシリーズ」って元々カーレースの映画やったんとちゃうの?シリーズを追うごとにスパイ映画色が増してってて、今回のスピンオフ作品はただのカーアクション付のスパイ映画になっとるがな。

今や世界的スターとなったドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムやけど、この2人が同時にメインの映画は画力として迫力ありすぎて笑ってもうたわ。もう、この二人を組ませたら、筋肉系映画になってまうんはしゃあないやろ。「もう車とか要らんのちゃいますん?」とか突っ込む入れたなんな。

本作のウリはあらためて書くんもアホらしなるくらい、アクション、これに尽きるわな。ルークやデッカードの過去が明かされ、このシリーズらしいそれぞれの「ファミリー」のエピソードみたいなもんは一応あんねんけど、基本アクション、アクション、アクションの頭からっぽ系娯楽映画やな。とにかくアクションだけは超一流や。ストーリーがどうのこうのは抜きに、それだけは保証するわ。本作はシリーズの枠通り越して、ハリウッドでも指折りの物凄いアクションシーンの連続で、これに対抗できるんはトム・クルーズの「M:I」シリーズくらいとちゃうかな。

それと、シリーズ本編とどこがどう違てて、エンタメ作品としてどう味付けするんかに注目して観てたんやけど、本作は圧倒的に筋肉系アクションが多い。本編より5、6割増しの印象やな。まあ確かにこの2人が組んだらそっち方向で行くわな。
基本この映画の構成はバディもんや。水と油みたいに真逆のの二人の犬猿の仲みたいなとこを最初にはっきり見せて、その二人がどないして絆を深め信頼し共闘するかっちゅう流れをちゃんと作っとるわ。

本シリーズの看板のカーアクションやけど、組み立てが非常に上手やわ。最初のカーチェイスシーンでは、ショウがメインの非常にスタイリッシュなロンドン市内でのカーアクション。次はのロシア・チェルノブイリではホブスメインのパワー系カーアクションとちゃんととコントラストをつけてる。ホブスとショウがタッグを組んだ終盤のカーアクションは、車に戦闘ヘリを絡めたとんでもないもんになっとる。それも極力CG使わんとやってるし。この人等ちょっと頭おかしいんちゃうかな。

せやけど、あえて文句を言わせてもらうとすれば、シリーズもんやなのにシリーズ感はゼロ。シリーズらしさはファミリーというテーマくらい。それに、全体的にただのアクション映画になってしもてて映画として薄っぺらい感じがしたかな。コメディてんこ盛りの「007」シリーズやっちゅうても言い過ぎやないわ。それと、肝心のアクションがここまでくると、くどいというか、お腹一杯というか。そもそも上映時間が136分と長い上に、アクションが連続しすぎてて、50のおっさんはちょっと胸焼けしたかな。

シリーズとしては少々不満が残る結果なになってしもたけど、シリーズとは別もんの、ストーリー無視の、ド・アクション映画としてはまあまあの出来とちゃうかな。このクソ暑い夏に、頭空っぽにして観る映画としたらええほうやわ。まあそんな感じやな。
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