にしやん

ソローキンの見た桜のにしやんのレビュー・感想・評価

ソローキンの見た桜(2018年製作の映画)
3.8
愛媛県松山市のPR映画。この手の地方都市PRもんにしてはテーマもストーリも中々斬新で良かった。地方PRもんでもこういうんが創れるねんな。その街にある歴史的な事実からこういう物語を創り上げてる点についてはめっちゃ評価するわ。そこらへんの最近の地方PRもんとははっきり言うてレベルがちゃう。100年間の人間のドラマを感じたわ。最後の「桜」もきれいやし、「サクラ」のほんまの意味が分かった時の切なさは余韻があって中々よかったわ。
せやけど、映画については言いたいこと仰山あるで。まず、ストーリー自体に相当無理あるわ。まだ日露戦争真っ只中やのに、主人公がその戦争で弟を亡くしてて、それもその弟を実際殺したかもしれへんロシア兵捕虜と、なんぼそいつがイケメンやから言うても果たして恋に落ちるかっちゅう根本的な問題。英語の先生がいきなり看護婦してんのも?やわ。通訳やったらまだわかるけど、ロシア語とちゃうしな。それと疑問なんは斎藤工の役。斎藤工本人がどうのこうのやないよ。この役自体が要るんかっちゅう話。絶対に要らん。意味不明や。最初から最後まで何モンか分からんかった。他にもいいたいことあるけど、これ以上言うたらネタバレなるさかい止めとくわ。それでもこれだけは言うわ。映画のラストの種明かしの下りの描き方が雑すぎる。もうちょっと丁寧に創ってほしかったわ。「おいおい、それはないやろ」のオンパレードや。めちゃめちゃ勿体ないよ。ここもうちょっとちゃんと出来てたらもうちょっと良かったのにな。
後は映像の色味が変。最初プロジェクター壊れてるんか思たわ。色が何せどぎついし、画面がザラザラした印象。おどろおどろしい感じやな。“江戸川乱歩”もん(映画)みたいになってたわ。めっちゃ違和感ある。それに録音も悪い。ところどころ聞き取りにくいし。
それでも、主演の阿部純子の良かったで。孤狼の血といい、海を駆けるといい頑張ってるわ。この人観れただけでも良かったわ。同じ大阪出身やし。阿部純子の好演にプラス0.8ポイント!
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