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search/サーチ(2018年製作の映画)
4.4
【100分間PC画面で繰り広げられるスリラー劇】93点
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監督:アニーシュ・チャガンティ
製作国:アメリカ
ジャンル:スリラー
収録時間:102分
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2018年劇場鑑賞89本目。
今日から人生4回目の1ヶ月フリーパス。その1本目がこれですが、これまた傑作。今年映画館で見た映画の中でも5本の指に入るかも。100分間ずっとPCの画面というのは『アンフレンデッド』以来。あちらもホラー仕様で相当面白かったですが、こちらはそれを更に凌いできました。単にPCの画面を延々と映すわけではなく、Twitter、Facebook、Instagram、しまいにはTumblrまで使用して展開していくので非常に面白い。インターネットやツイキャスライブまで駆使するのですから面白くないわけがない。まさにこの時代でしか撮れない作品であり、存在意義は大きいと思います。

カリフォルニア郊外に住むデビッド・キムは三年前に最愛の妻に先立たれ、高校生の娘マーゴットと暮らしていた。しかし、ある日マーゴットは帰ってこなくなったのだが。。

このデビッドという父親はかなりパソコンに精通してるといっても良さそう。今作のディティールには感心させられるばかりで、例えば文章の削除を繰り返すシーンは我々がラインなどで繰り広げるリアルなトークシーンを彷彿させられます。瞬時に文章化するが、果たしてそれを相手に送って良いのか考えたりします。この「間」や「躊躇」が細かく描かれており非常に興味深いです。特に最後の!マークを入れるか否か一瞬迷うシーンも唸らされる。PCの画面しか映さないという条件がある分、このあたりで登場人物の心情を絶妙に表現しています。素晴らしいとしか言いようがない。

さて、娘は失踪してしまうわけですが、デビッドはあらゆるSNSを駆使して彼女を探し出そうとします。そして細かいところに張り巡らされている伏線の数々。この伏線が回収される時、ホラー映画でもないはずなのに妙に不気味な感覚を覚え寒気がしてしまいました。その「異変」に気づいている間がしっかりあるのも素晴らしい。SNSって本当に恐ろしい。今回、娘を探すのに大いに役にはたっているのですが、まさに諸刃の剣でありSNSがあるから事態が悪化しているという解釈もできます。結末は是非自分の目で確認していただきたいところです。

TwitterやFacebook、ツイキャスライブを使用したことがある人ほど釘付けになる内容。逆にこれらのSNSを全く使用したことがない人が見ると、少しわかりづらい箇所が多いかもしれません。今作の最大の魅力は、共感を得ながらも真実に近づいていくというそのスリルを楽しむところにあると思います。最初から最後まで飽きないナイスすぎるアイデア。27歳の若さでこんな作品を仕上げてしまう監督もまた然り。今月のオススメとしたいと思います。
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