PC画面上でテンポ良く展開していくストーリーと、SNSから次々に発覚する新たな真実。まさに新感覚のサスペンスは、最後まで飽きることなく楽しむことができる。
リアルでの居場所を作らずとも、SNS空間に居場所を作ることができてしまうこの時代においては、子について親が知り得ない部分は大きくなってきていると感じる。思えば私自身も、親の前での自分と友人や所属するコミュニティ(SNSも含め)内での自分が必ずしも一致しているわけでない。その中で、親子はどのような距離感でコミュニケーションを取り、関係性を築いていくのか。表面上のやり取りだけでは今作のキム親子のようになるやもしれない。かといっていきすぎた干渉はヴィックのように歪な愛として現れてしまうかもしれない。そこに決まりきった答えはないが、SNSが普及し利便性が高まった世の中においての親子のコミュニケーションの重要性を今一度考えさせられるような作品であった。
モデルの顔が一致してからクライマックスまでをもう少し丁寧に作りこんであれば尚よかったなあ。
