パケ猫パケたん

真実のパケ猫パケたんのレビュー・感想・評価

真実(2019年製作の映画)
3.0
『万引き家族』がカンヌ映画祭でパルム・ドールを獲得した後の、是枝監督の初作品。

カトリーヌ・ドヌーブもジュリエット・ビノシュも、ましてや是枝監督のファンで、長年追いかけて来たオイラにとっては、正直に告白すれば見処の少ない、印象の薄い作品だったかな。

長所としては、晩秋の紅葉の中髪が乱れるドヌーブが美しく、また、演技合戦になるかと思いきや、抑え気味な演技のビノシュの姿も魅力的。是枝映画らしく子供たちの演技が伸びやかで、更には、イーサン・ホークの出演が子供映画の傑作『6才のボクが、大人になるまで』をリスペクトしているようで微笑ましい。

辛いのは、映画の始まりと終わりで、二人の親子関係がどう変わったのかが、分かりにくいところだ。この親子は終始、まずまず仲がよい気がする。ビノシュか、はたまた是枝監督がドヌーブに気兼ねをしたのかな。豪華なキャスティングなので、ベルイマン監督作品で、イングリッド・バーグマン×リブ・ウルマンの『秋のソナタ』みたいな、親子二人の相剋のドラマが観たかった。やっぱ是枝監督の家庭劇は日本で撮らないと、細かいニュアンスが出ないと思う。

あとは余談です。
ドヌーブとビノシュがヒッチコックの話しをしていて、美しすぎるから?『サイコ』のようにナイフで切り刻まれたらどうしようなどと、冗談を飛ばしていたが、それは違うw
ヒッチ先生は、基本、ロープでの絞殺が大好きで、舌を出して死んでいたら最高なのです。美人二人に同時に詰め寄られても、これは譲れませんなぁ、オイラはw