またたび

真実のまたたびのレビュー・感想・評価

真実(2019年製作の映画)
3.2
母が観たいと言ったので、母娘で鑑賞。
往年の大女優カトリーヌ・ド・ヌーブとこれまた大女優なジュリエット・ビノシュ。
カトリーヌ・ド・ヌーブは「8人の女たち」以来かな。「インドシナ」の時は美しかった!ジュリエット・ビノシュは「ショコラ」以来かな。「存在の耐えられない軽さ」は衝撃的だった!
この大女優らが、老いを隠さずにカメラの前に立ち続ける姿になぜ、日本人は若さにこだわるのだろうと、文化的幼児性を痛感した。
日本の女優は、歳をとっても若く観せて撮ろうとする。樹木希林や市原悦子などは、元々、若い時から若さや美しさを売りにしてなかった。最初から個性的。
これに対して洋画は、昔、美人女優で売っていた女優が老いた姿を平気で撮らせる。
作り手の問題か、需要の問題かは分からないが、日本で年取った母娘の映画なんて作れない。
そういう意味でこの映画は母娘の葛藤を是枝監督が描いたという点では意義があるのかもしれない。
しかし、これはもはやフランス人女優でフランスを舞台にしたフランス映画。日本人である是枝監督が撮る必要性や新鮮さが残念ながら映像からも感じられなかった。

ハリウッドの監督が我々が見慣れた日本の東京や大阪の繁華街を撮ったときの映像の新鮮さを期待していたが、フランス人は、この映画を観て日本人ならではの感性の映像の切り取り方を感じるのだろうか?聞いてみたい。
母は、部屋から映る1本の木の撮り方が日本人らしいとか言っていたが、私はどのシーンかすら分からない。

作品としては嫌いではないし、良かったのよ。だけど、是枝監督がフランス人女優使ってフランスを舞台にして撮る必要があったのかと思うと...。
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