たいてぃー

真実のたいてぃーのレビュー・感想・評価

真実(2019年製作の映画)
3.5
本作の風変わりなとこは、カトリーヌ・ドヌーヴ演じるファビエンヌが撮ってる映画。SF作品でファビエンヌが年下の女優をお母さんと呼んでいる。この母親は、不治の病を患っており宇宙飛行することにより、時間を超越しているとのこと。相対性理論ってことか。
この母親役は、サラの再来と呼ばれる新進女優マノンが演じている。サラは、ファビエンヌとその娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュが演じる)が、以前に影響を受けた女優。でも、ファビエンヌの自伝本には、サラは一切出てこない。これで、この親子は大揉めして、それぞれに恨み辛みをぶちまける。そしてマノンも絡めて前述したSF映画と繋がっていく。この辺りのストーリーはいい感じ。
その後は、これまでの是枝作にあるように、親子それぞれに拘りがあって、それを対話により解消していくって展開。やっぱりそうかって、安心できるんだけど、物足りなさ感はあって。
主演のカトリーヌ・ドヌーヴは、貫禄の演技。「神様メール」のゴリラとの絡みも印象に残ったけど、本作も劣らずで。女優と母親で間に挟まれた葛藤を見事に演じるって、よくある話だけど、この女優が演じると、別格だね。
この家で飼う大きな亀が異色。元夫の名をつけてたけど、なんか意味あるのかな。この亀と孫娘のシャルロットが戯れるシーンが、ほんわかしていい。
本作には、特別編集版なるものが追加上映されてて、イーサン・ホーク他、男性陣の出演シーンを加えてるとのこと。通常版見て、なんか損した気になったが。