オーディションにより主演二人を抜擢することを考え、実行したワーナーブラザースジャパンの作戦は完璧に成功していたといっていいでしょう。思えば、恋愛映画すべて山崎くんがやってたり、邦画界のキャスティングの閉塞感をぶち破ることが志向されていたんだなと感じました。
特に猪原さん、やや拙いながらも最高にキュートでした。
ラストらへんは好みは別れるかもしれませんが、これくらいのファンタジーは充分許される世界観だったとおもいます。大事なのは物語が破綻していないこと。大体物語はひとつの目的に達するまでの過程をいかに引き延ばすか、が1つの重要な要素だと思います。その意味でラストのファンタジー描写は「町田くんの世界」が変革をむかえる場面だけあって一筋縄ではいかないのは当たり前ではないでしょうか。
自転車を倒すあたりから祝祭的出来事が多くおこり
町田くんのキリスト的な、最近でいえばラザロ的なキャラクターだからこそ成立する場面だと思いました。
猪原さんと町田くんがせわしなく画面全体を動き回るシーン、猪原さんの貧乏ゆすり、町田くんの走りなどの青春の衝動がほほえましいです。
それをやや俯瞰でみつめる前田のあっちゃんもすごく良かった。
石井監督やはり素晴らしい!!