あびる

逆転のトライアングルのあびるのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
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めっちゃ面白い。『ホワイトロータス』にめっちゃ似てる。いまヨーロッパは資本主義社会とか富裕層をいや~な感じ描くのが流行ってるのか?

色んな人種の人たちが寄せ集まってニッコリしてるのがH&M、むすっとしてたらバレンシアガ。のあの冒頭、話の内容とそんな関係ないけどめっちゃ面白かった。(あの肉体にペンキべちゃべちゃするのなに?おしゃれで良かったけども)

この冒頭がしめすように、この監督は基本、
この世の嫌なあるあるをシニカルに描くのが得意、というか、それしかしない監督です。
デート行ったときに別にどっちが奢るとか言ってないけど、なんとなく奢らされる雰囲気に持ってかれてるなぁみたいに思ってしまうの嫌なあるあるすぎてワロタ。
しかも気のせいじゃなく確信犯やし。

お話は三部構成。
1、カールとヤヤ
金のない男と付き合うメリットはなく、いずれは資産家のトロフィーワイフになると堂々と言い切るインフルエンサーにも笑ったし、皮肉にも同じことを男にされる後の展開も非常に愉快。

2、船
豪華客船の船長はウディハレルソンで、こいつもまた良い。資本主義の歪みみたいな船の船長のくせに、マルクスを愛読する社会主義者で常に酔っぱらってる。こいつの演説をゲロとうんこまみれになりながら聞く金持ちという状況もカオスすぎて笑う。
すべての描写に皮肉が混ざるが、ショットが間抜けだったり間がコメディなのでずっと笑ってられるのが、この監督の凄いところ。
インフルエンサーも引きでみるとシュールで笑える。


3、無人島
全てが(性別と権力)が逆転する三幕目は、やはり人間の醜さが露呈する。
サバイバルに長けたアジア系女性は、一転権力者のように振る舞いはじめる。人間に対してなんにも期待していない姿勢が良い。
ラストは一番エモーショナルで、悲劇的だが
そのあとのカールの『大人はわかってくれない』みたいな走りの横移動がこれまたシュールで最後の最後まで楽しかった。

『ザスクエア』みなおそ!
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