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戦慄の絆のdenpunのレビュー・感想・評価

戦慄の絆(1988年製作の映画)
4.4
クラッシュ、ビデオドローム、コズモポリスと観て、本作。
クローネンバーグ監督は、人の肉体や精神の結合可能性と、拡張可能性を描き続けているのではないかと思う。セックスを、それらを示す最もノーマルな営みとして描いた後、それでは満たされない場合の高次な方法は?と探求を深めるアブノーマルな人々の様を描きつつ、最後には自滅するというのが各作品に共通するプロットのように思う。
クラッシュでは車が、ビデオドロームでは映像が、コズモポリスでは情報がその媒体として描かれていて、本作では双子という、人間における特殊な例をモチーフにしているように捉えられた。

肉体と精神がそれぞれたすき掛け的に影響し合いながら壊れていく双子は、最終的にお互いを分離することで救われようとする。
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