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The Witch/魔女のtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

The Witch/魔女(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

いやー面白かったよ!これ!ありがとう映画秘宝!

後半に向けた前半のタメと謎の組織の暗躍という緊張感、そして少女の秘められた力が炸裂するポスタービジュアルのような展開になる後半の圧倒的な彼女のパワーに興奮が止まらないアクション作品!

謎の組織から脱走した少女。彼女は農家の夫妻の元に保護されるものの、過去の記憶を失っていた。ジャユンと名付けられ女子高生となった彼女は養父母の経済状況と義母の治療費のため、テレビのオーディションに出ることに。しかしそれをきっかけに忘れ去られていた彼女の過去が忍び寄ってくる…

冒頭、怪しげな人体実験をしているようなモノクロ写真が写し出され、組織が何をして来たのか、彼女がどのような存在で追われているのかがなんとなく示唆される。
後々の登場人物含め、ほとんどが冒頭に登場するので比較的登場人物は少ないと言えるだろう。
そこから時は流れ、彼女は女子高生に。
義母は認知症になりながらも治療費は経済的に厳しい状況。そんな中で彼女は親友(彼女の適度なウザさが良い笑)からテレビのオーディション番組を紹介される。賞金が出るということもあり、彼女はオーディションに勝ち進んでいく。
その合間に冒頭に登場した組織が不穏な動きを見せ始める。
この謎の組織についてイマイチ詳細が掴めないのと各個人の思惑・関係性が分かりづらいのが少しマイナスか(まああんまり気にならないようになるけど笑)
原題ではPART1とされているので続編で明かされるのか?

この合間に挿入される組織の暗躍、彼女の頭痛とフラッシュバックが物語の緊張感を持続させ見る者を惹き付け、後半への"タメ"となっている。
謎の青年の接触、青年が持つ特異な力、義父母へと迫る危機などを経て、家に侵入され、親友は人質になってからの彼女が魅せる圧倒的な迎撃!
驚きと興奮に思わず目を開いてしまう!

ここから物語はクライマックスへ
ネタバレにより注意

組織のアジトに連れ込まれた彼女は、人体実験を行っていた女性と対峙する。
記憶を失っているジャユンに全てを説明し、実験の影響を抑える薬を注射されたジャユン

そして、ジャユンは全てを明かすのだ。
「博士、久しぶりね」と

彼女は記憶を失っていたわけでは無かった。
人体実験による脳へのダメージと縮みゆく寿命、それを打開するために彼女はテレビで目立つパフォーマンスをしたのだ。
全ては彼女の計画通りだったのだ
この時以降に見せるジャユンの狂気に満ちた表情がたまらなく良い!
困惑する表情も何もかもが名演技だったのだ(劇中的な意味でも女優としても)

本性を表した彼女は、その圧倒的なスキルを見せつけ、他にも実験を受けた者たちも圧倒していく。
途中彼らを抹殺する部隊に対する彼らの動きのアクロバティックさとけれん味はさながらマンガ的アニメ的な画もあったりとエキサイティング!
薬も手に入れ、全てを始末した彼女は義父母と親友に別れを告げ(親友には遠くから手をふったのみだが)根本的な解決へと向かうのだった…
最後に出てきた博士の妹とか唐突な存在だったりするのだが、続編ありきでよろしいのかな?

とにかく、物語に漂う緊張感と不穏な空気、後半に炸裂する主人公の他の追随を許さない圧倒的なスキルの数々に魅了されると共に、気弱そうな女子高生と狂気に満ちた暗殺者の顔を使い分けた彼女に魅了されること間違いないの快作!
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