昨年末に韓国で公開され、観客動員第1位に輝いた作品が、2カ月足らずで日本のネットフリックスで配信されるとは。かなりお得な感じがした。しかも、このソン・ガンホ主演のクライムアクションは面白い。物語はとりたてて邪心もない普通の加工職人が、麻薬製造に関わることになり、次第に「大物」となっていく姿を描いているのだが、なにせソン・ガンホがその主役を務めるため、「麻薬王」とはタイトルにあるものの、とてもコミカルな雰囲気で、その成り上がりストーリーを描いている。
監督は「インサイダーズ 内部者たち」を手掛けたウ・ミンホ。2時間を超える作品なのだが、テンポ良い展開と麻薬の世界を扱いながらも、どこかほのぼのとした味わいもあり、観る者を飽きさせるさせることはない。実話を基にした作品で、主人公は釜山を拠点に、「メイド・イン・コリア」と名付けられたヒロポンを日本に「輸出」することで、大きな富を得る。主人公が大阪に乗り込むシーンもあり、日本の人間にも興味深い物語となっている。それにしても、ソン・ガンホという役者、普通の市民から麻薬王まで、見事に演じ分けており、韓国の役者のなかで実力者であることも、この作品からはわかる。
