ガイドブック片手にロックを聞き始めた頃、エルトン・ジョンは興味の対象外だった。余りにも英国的過ぎるメロディ、自分で作詞をしない、何より致命的だったのが、カッコ悪い。ハゲでデブで、おまけに変な衣装を着る。
ジョン・レノンと親交があったと知った時も、ダイアナ元妃が亡くなってあちこちで"your song"を聴くようなことがあっても、その認識は変わらなかった。
そしてこのロケットマン。
見終わった後、ハゲでデブで変な衣装を着るカッコ悪い男は、ハゲでデブで変な衣装を着るカッコ悪いけれども、良い曲を作るちょっと可哀想な男になった。