てるる

ブラッド・イン ブラッド・アウトのてるるのレビュー・感想・評価

4.0
実際に製作者側がギャングに殺されてしまった「アメリカン・ミー」とは違った意味で迫力のあるメキシカン・ギャング映画。

タイトルにもなってる「ブラッドイン・ブラッドアウト」とは、入る時は誰かを殺し、出る時は自分が死ぬ時というメキシカンギャングの血の掟。

麻薬・暴力・犯罪が日常的にあるメキシコ人街で育った幼なじみ3人。
ギャングに入り、永遠の絆を誓うが、ある事件をきっかけに別々の道を歩み始める。

3人とも波乱万丈だけど、1番壮絶なのは、白人の見た目のせいでなかなか周りから認めてもらえないミクロ。
刑務所に入ってからは、のし上がるためにどんどん狡猾で凶暴になっていく。

最近観た「ブラインドスポッティング」でも同じような人種と生まれ育った場所のギャップ問題扱ってたけど、こっちは刑務所で生きるか死ぬかの極限状態。
なんなら可愛い見た目のせいで、油断してたら掘られる危険もあり。

これ観てたらブラインドスポッティングの白人が単なるワガママ野郎に見えてくる。

3時間と長いけど、それを感じさせない熱量。
褒められたような生き方じゃないけど、悪の道から出ることの難しさ、少ない選択肢の中でもがく彼らの生き様に時間があっという間に過ぎていった。

コワモテ俳優好きには、若き日のダニー・トレホ兄貴を始め、ビリー・ボブ・ソーントンやデルロイ・リンドー、ヴィング・レイムス、レイモンド・クルスなど意外と豪華な脇役達にも注目です!
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