ブラッド・イン ブラッド・アウトの作品情報・感想・評価

「ブラッド・イン ブラッド・アウト」に投稿された感想・評価

知名度うんこで3時間あるけど結構な面白さのクソハゲ3人組MOVIE。
拘泥

拘泥の感想・評価

3.8
生き抜くには家族が必要だ。誰でも。

ハリウッドピクチャーズが3連発される最初で笑った。
回想やらフラグやらBGMやらのあからさま過ぎる演出はさておきめっさ面白い、すれ違う3人の坊主たちの青春ギャング映画。家族、兄弟、そういう血族的な単語を操るギャング達。民族、一族、人種。アイデンティティを、縁を獲得しようと足掻くしょぼくれたクソガキだったミクロの堕ちてゆくザマが辛く堪らない。
行動としての人々の悪意とは大方はご存知の通り社会、環境のもので、しかしその酷さは惨憺たるもので。世界は難しいんで、考えさせないでくれ…グオオ…
め、めちゃくちゃおもしろかった……。"Blood in Blood out"はギャング団における血の盟約を意味するが、まさに血が噴き出てきそうにシリアスで濃厚な3時間だった。
話としては地元の3人組がある事件をきっかけに別々の立場になっていき運命に巻き込まれていく系のものなのだが、そこにギャングの抗争や弟の不慮の死といったハードすぎる話が複層的に交わり3人に影響を与えていくことで、決して戻ることの出来ない時間の経過を容赦なく描いていく。劇中では10年が経過しているのだが、最初は割と似たような顔付きだった3人が最後には本当にまったく異なる相貌となっているのも凄い。

特に主軸となって描かれているのはメキシコ系と白人との混血の青年ミクロ(ダミアン・チャパ)で、最初は保身の為に刑務所内でメキシコ系ギャングに入り仮釈をゲットして堅気になろうとするも抜け出せず、また刑務所送りになる。同時に社会的にも精神的にも塀の中に"自分"や"家族"を獲得していく。この抜け出せなくなりのめりこんでいく過程が嫌になるほど明確に映画として描かれている。

ずっしりとしたギャング映画ということでさしずめチカーノ版『ゴッドファーザー』(終盤の大殺戮シーンは完全にオマージュなのにまったく恥ずかしくない堂々たる佇まい)とも言えるのではないか。そして本家の格調高さこそ無いかもしれないが『ブラッド・イン ブラッド・アウト』は流れ行く人生の苛烈さを描くという意味での青春映画として類稀な存在感があると思う。
テイラー・ハックフォード監督作品。
1972年から1984年までの、イーストロサンゼルスに住むメキシコ系アメリカ人のミクロ、パコ、クルス3人の男の生きざまを描いた作品。

ラテン系アメリカ人がキャストの多くを占める。ロバート・ロドリゲスの映画以外では珍しい。『カラーズ 天使の消えた街』で取り締まられる側だった、カラーギャング達に焦点を充てた作品。

ギャング達によくある民族やどの人種の血が入っているかということが重要視される世界。白人の父とラテン系の母の混血で、見た目が白人のミクロは、メキシコ系アメリカ人地区のイーストロサンゼルスではマイノリティでいじられる側。そのため民族への同化に対して強いこだわりを抱き、ギャングの血の絆、団結の世界に入っていく。

刑務所のシーンが多く、白人系、黒人系、ラテン系で派閥ができている。男達しかいない世界で、命懸けでケツを守る。団結していないと殺られる世界。

冒頭と終盤で入る死者の日の祭りのシーンが画的にいい。
ダニー・トレホおじさんが出演。本人が刑務所経験者のため、画面でのはまり具合がはんぱない。
弟から教えて貰った(刑務所もの)、刑務所ものと潜水艦ものにハズレ無し…
McQ

McQの感想・評価

3.8
「優しくしなきゃお前のソーセージは食わねぇぞ!」

『ブラッド・インブラッド・アウト(1993年)テイラー・ハックフォード』

ラティーノの血で結束された〝仲良し3人組〟の運命を狂わせたのは〝一発の銃弾〟だった。

白人、黒人のみならず、ラティーノ系(ラテン系)が加わった〝三派〟による抗争。更には主要キャラの一人であるミロが白人とラティーノ系のハーフで見た目は白人にしか見えないが、心はラティーノ系、という少々複雑な事情を抱えてる。

この男たちのドラマがとにかく熱い。男臭さ満点。女子禁制?!(故に男たちはソーセージを貪るしかない。)

ちょっとワケありで入口から躓いてしまったのだが、やはり〝ソーセージ〟辺りからグイグイ引き込まれた!笑

長尺も気にならない程、一度スイッチ入ると一気見!、、これは連ドラ化しても面白そうだ。
てるる

てるるの感想・評価

4.0
実際に製作者側がギャングに殺されてしまった「アメリカン・ミー」とは違った意味で迫力のあるメキシカン・ギャング映画。

タイトルにもなってる「ブラッドイン・ブラッドアウト」とは、入る時は誰かを殺し、出る時は自分が死ぬ時というメキシカンギャングの血の掟。

麻薬・暴力・犯罪が日常的にあるメキシコ人街で育った幼なじみ3人。
ギャングに入り、永遠の絆を誓うが、ある事件をきっかけに別々の道を歩み始める。

3人とも波乱万丈だけど、1番壮絶なのは、白人の見た目のせいでなかなか周りから認めてもらえないミクロ。
刑務所に入ってからは、のし上がるためにどんどん狡猾で凶暴になっていく。

最近観た「ブラインドスポッティング」でも同じような人種と生まれ育った場所のギャップ問題扱ってたけど、こっちは刑務所で生きるか死ぬかの極限状態。
なんなら可愛い見た目のせいで、油断してたら掘られる危険もあり。

これ観てたらブラインドスポッティングの白人が単なるワガママ野郎に見えてくる。

3時間と長いけど、それを感じさせない熱量。
褒められたような生き方じゃないけど、悪の道から出ることの難しさ、少ない選択肢の中でもがく彼らの生き様に時間があっという間に過ぎていった。

コワモテ俳優好きには、若き日のダニー・トレホ兄貴を始め、ビリー・ボブ・ソーントンやデルロイ・リンドー、ヴィング・レイムス、レイモンド・クルスなど意外と豪華な脇役達にも注目です!
ブラッド・イン ブラッド・アウト

隠れた名作とはこの作品のこと。

180分という長丁場ですが、それを全く感じさせないチカーノ文化を描いた素晴らしい作品です。

ロサンゼルス東部、メキシコ人と白人のハーフで、肌が白く瞳が青いことに引け目を感じるミクロ、メキシコ系アメリカ人で血の気が多いパコ、パコの弟で絵の才能があるクルズ、チカーノ社会で兄弟同然に育った3人の、12年に渡る血の絆を描いた物語。

固い絆で結ばれていた3人が、ある出来事がきっかけで少しずつ人生が狂い始め、それぞれが選んだ道が互いに深い溝を作る中、その移り変わる人間関係と揺れ動く心情を、ストレートに描き切っているのが一番の魅力。

ミクロが肌の違いを克服しようと、刑務所内での血で血を洗う権力争いに手を染めていく過程が、繊細かつ大胆に描かれ、その圧倒的な世界にぐっと引き込まれていきます。

音楽の使い方もよく、緩急がつけられたラテン系の音楽が、それぞれのシーンに上手く融合し、作品に奥行を与えながら観客の心に深く染み込んでいきます。

25年以上前の作品ですが、今観ても色褪せることなく逆に新鮮にすら思え、刑務所シーンのリアルさや臨場感は今まで見た作品の中で、間違いなく一番だと思います。

是非見かけたら鑑賞して頂きたいお薦めの一本です。
小森

小森の感想・評価

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メキシコの悪ガキ3人が辿る数奇な運命。3時間あっという間に過ぎた。特にムショで成り上がる白人の子が壮絶で、ムショの中でギャング抗争が起こるというベリーハードな人生だった。何気にトレホ兄さんとか出てるのでオススメ!
おそらく生涯のベスト映画3本に入れるくらい好き。
伝説的なチカノ文化を代表する長編映画。
長いけど、あっという間に見れます。

チカノ好きの当時の彼に勧められてみましたが、私がハマってしまいました。ミクロ、パコ、クルス3人の幼馴染がそれぞれ主人公。(全員イケメン)
とくに壮絶な生涯を送るミクロが、刑務所に入った後の展開がすごすぎて
当時のアメリカの人種問題の苛烈さに驚くばかり。
とにかくチカノという人たちの生き様やカルチャーがかっこよすぎて、ドキドキします。

ちなみにモト彼がどのくらいチカノフリークだったかというと、58年型キャデラックデビルにハイドロ改造を施しアメ車ショーでバッコンバッコン、ハイソックスをはいて白ランニングシャツ。勝負服はオーダーメイドのズートスーツを決め込み、指にはゴールドのカレッジリング。
親指の付け根にはラ・オンダのサインのタトゥー、車の窓方出す部分の右ひじには蜘蛛の巣のタトゥー、背中にはマリア様、胸にはキリストの合掌ほか全身刺青だらけのピクチャーマンでした。
「アメリカン・ミー」「セット・イット・オフ」など強制的に見せられました。
話はそれましたが・・・

私はヴィクター・リヴァースが演じたマジックマイクが大好きです!
マジックと、ミクロの誓いのシーンは何度見てもブルブル震えるくらい腐女子魂をわし掴みにされます。

のちの「マチェーテ」の主演のダニー・トレホとか、脇にすごい人がなにげにキャスティングされています。
ディスコクラシックとかサントラもすごくいいです。
主人公の一人、パコは本物のチカノです。

以下はネタバレですのでご注意を!!
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ミクロやパコ、クルスは家族思いの幼馴染。仲間を大事にし、自分たちの伝統を重んじています。「血の結束」で結ばれているのです。
街の不良集団(今なら半グレかヤクザ)プントスと、ラオンダに分かれて抗争しています。
しかし、主人公の一人ミクロが、敵を殺害してしまい刑務所に収監されてからがこの物語のむごいところです。
白人社会から身を守るために、なんと、娑婆で敵だったプントスと手を組まなければ生きていけないのです!だけど、ミクロは白人とのハーフで色が白いので、チカノ仲間からはじかれてたった一人、孤独に戦わなくてはならない。ここ、皮肉です!!
とにかく、受刑者はムショでも娑婆でも、過酷な運命から逃れられない悲惨な人生が待っています。本当の敵は何なんでしょう?
どうやって生き延びればいいの?ラストには非常に優しくてさわやかな答えが用意られています。
本当に深い深いテーマです。
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