ひでやん

ザ・ファブルのひでやんのレビュー・感想・評価

ザ・ファブル(2019年製作の映画)
3.6
殺し屋休業につき、殺さずの救出ミッション。

原作未読なのでキャラに対するイメージがなく、フラットな気持ちで楽しめた。ボスの命令で一年間、一般人として普通に暮らすことになった伝説の殺し屋を描いた今作、先ずは料亭でヤクザを皆殺しにするオープニングが爽快。バッサバサと敵を倒す殺し屋だが、無口でクールなキャラじゃつまんない。お笑い芸人のネタで爆笑し、猫舌、丸かじり、全裸というキャラ設定がいいね。

サバイバル生活をしながらボスに育てられた殺し屋が、「普通」になろうとするも、生きづらい姿が滑稽。酒豪のヨウコを演じた木村文乃は良かったし、そのヨウコに変顔にされる山本美月が可愛かった。最後にケジメをつける安田顕も、柳楽優弥の狂犬ぶりも良かった。岡田准一のアクションはなかなか見応えがあり、スタスタと壁をよじ登るシーンで「ジャッキーか」と思っていると、「ジャッキー・チェンかい」とつっこむ向井理。

最大の見せ場である間一髪の救出劇は手に汗握る緊張感と迫力があった。しかし、救う相手が悪人だったので複雑な気持ち。ヒロインを助けるためにヤクザと闘うというベタなストーリーではなく、世話になっているヤクザ組織の内紛に巻き込まれる展開なので勧善懲悪の爽快感が薄れた。

冒頭の料亭シーンが「皆殺し」だったのに対して、ゴミ処理場のシーンは「殺さず」のアクションだったため、冒頭の爽快感には及ばずいまいち。敵が多過ぎでゴチャゴチャしたし、6秒以内というリミットを効果的に活かしてほしかった。ジャッカル富岡のネタが頭から離れなくなっちまったぜ笑。
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