さよならくちびるのmoronのネタバレレビュー・内容・結末

顔のいい人びとにそれぞれ重ための過去を与えて、限界に近い人間関係を組ませてみた結果。他者の心中を想像したり共感したりする部位がガンガン刺激される作品。

「さよならくちびる」が感動的なのは、ハルレオの物語にひと区切り与えられたあとだったと思う。劇中に挟まるポエムが腑抜けなのはつらい。客があまり入らなかった箱で3人は何を思っていただろうかと想像する。たぶん、聞き手が何人いるのかだなんてどうだってよくて、誰もが相手のことばかり考えていた。夢想される世界に本人が含まれていないことに相手は怒るのだけど、誰もそれができないから、こんなにもつらい。