きよ

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのきよのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

このアニメの肝になる部分は、「元軍人」の少女が「手紙の代筆」を通して、人の感情を理解し、大切な人の「残した言葉」の意味を理解するところにあると思う。

軍人の命令は言葉通りである。進めと言われたら進めという意味だし、殺せと言えば殺せという意味である。でも人の気持ちはそうではなく、言葉には表と裏がある。特に手紙は顔が見えないから、言葉をそのまま伝えれば誤解を招く。バイオレットが仕事を通じて、人の心の深い部分を掘り下げて、同時に大切な人が残してくれた言葉の意味を理解する、というのが、このアニメの全てだと思う。

何が言いたいのかと言うと、少佐の残した言葉が重要なのであって、少佐が生きているかどうかは重要ではない。むしろ曖昧にすることで、「残した言葉」により重みを持たせるべきだったのではと思う。

考えれば考えるほど、アニメ版以上のラストはなかったように思う。少佐が生きていて素直に嬉しい気持ちと、なんだか肩透かしを喰らったような、残念な気持ちが同居してる。
きよ

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