ゴン吉

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのゴン吉のレビュー・感想・評価

4.2
手紙の代筆業をしている少女のヒューマンドラマ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の新作劇場版アニメ。
京都アニメーションが製作。 

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、幼いころ軍人の少佐に引き取られて育てられ、初めて人を愛することを学ぶ。
しかし少佐と一緒に兵士として戦場に赴き、戦闘で両手を失い、少佐は行方不明になってしまう。
終戦後、彼女は義手をしてCH郵便社で自動手記人形と呼ばれる手紙の代筆業を行っていた。
ある時、死んだと思っていた少佐が生きている可能性を示す手紙が見つかるが……  

感情を持たずにロボットのように生きてきた彼女が、少佐と出会い、そして仕事を通してさまざまな人と接し、人を愛することを学びながら人として成長していく。
作品は3つのストーリーが並行して絡み合って進むが、3つとも素敵な話です。
美しくも切ない一途な愛が描かれている。
そして何と言っても京都アニメーションが描く映像が緻密で美しく圧倒される。
戦争の虚しさと手紙の素晴らしさが描かれている。
両腕を失っても素晴らしい文章を書くこともできる。
人として大切なものを教えてくれる作品です。
最近手紙を書く機会がほとんどなくなったが、手紙を書いていていた頃が懐かしく思いだされる。
手紙ならではの良さを再認識させられる。
「言葉で言えなくても手紙なら出来るかも 私も素直な気持ちを伝えたい あの人は今この時にしかいないから」 
最期は涙です。 
家族への愛、恋人への愛、たくさんの愛が詰まった作品です。 
「あいしてる」 

2022.11 地上波日テレで鑑賞(金曜ロードショー)  
第44回 日本アカデミー賞で優秀アニメーション作品賞を受賞(2021年)
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