苦しい映画だろうとは予想していたけど、予想以上に苦しかった。
ロンドンでの移民問題、アジア女性への差別意識を表現しているようにみえるが、その実、イギリス自身のひどい経済状況も垣間見ることができる。
出てくるロンドン人は卑しいが、皆が自分の人生に不満を抱えている。そのストレスが一番弱いところ、すなわちアジアの移民女性に向かっているだけであって、彼女達がいなくなれば解決する問題でもなく、恐らく次の攻撃ターゲットを見つけるだけだろう。
女主人のヒモの男ももしかしたら移民なのかもしれない。まともな職はなく金もなく、好ましいセックスにありつけない。
家を貸している女性は、この家は投資目的で買ったと言い、さらにはいつか子供ができたらここで育てるのだ女主人を叱責するが、勝手ながら失礼ながらそのような人生からは縁遠いところにある女性に見える。
職業斡旋の担当の男性は次は自分が首になるだろうと自虐する。
登場人物は皆が攻撃側も悲観的な状況にある。
グローバル経済の在り方について改めて考えさせられる。解のない問題だ。
土から這い出たミミズは生きていけないという言葉には力強さがあった。パワフルだ。
こうして考える材料をくれる機会を与えてくれる映画はありがたい。
近年、女性監督の作品を観る機会が増えた。今年は女性監督ばかり観ている。