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アルキメデスの大戦のaizvvのネタバレレビュー・内容・結末

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

田中泯と柄本佑が凄く好きだったのと、
個人的好み要素満載だったので作品評価込み込みでこの点数。
作品演出のみなら3.6か3.7かも。
平山の最後の言い分に皆が納得したのが訳分からない事と、予告のミスリードが酷すぎる。笑

まず平山の開き直った「外国に最大級の戦艦を上回られない様にわざと予算を捏造した」という言い分にみんななぜ納得してるのかが本当に分からないんだけど何で??

そもそも、空母か戦艦かメリットデメリットはトントンなので決められず予算を鑑みて決定する。その結果、費用対効果を考慮すると戦艦が良いという結論だったのでは?
しかし戦艦が1億7000万以上かかるのであれば、外国に予算が漏らさない為に、日本最大の戦艦以上のものを作らせない為に予算を偽造したという言い分は全く俎上に乗るまでもないと思うのだが。
外国に悟られたくないのであれば、戦艦にしろ空母にしろ予算を偽造するかはまた別問題で、戦艦or空母の2択に置いて戦艦のみ予算を偽造して戦艦を選ばせる正当な理由には全くなっていなくないか?

国益のための議論ならまだしも今回の議論においては、空母一択になったはずなのになぜあそこで皆ぐうの音も出なくなっているのか分からない。


というのが、唯一訳が分からなかったのだけど、指摘してる人見つからないんだよな、何か見落としたのかなあ、。
みんな早口だったし、、笑

後、菅田将暉が軍をあそこまで嫌っていた理由も弱かったのと、小日向さんから盗んだ設計図をどうやって返したのかの描写が無くて残念だった。あと小日向さん出番少なすぎる!笑


とはいえ、
数学、天才数学者、歴史、戦艦、空母、頭脳での勝負といった個人的に好きな要素満載の映画だったので楽しかった。

個人的に最近暴力的な作品を数見ていないので免疫が落ちている為、戦争シーンがほとんどなく頭で戦う描写は楽しかったけれど、予告のミスリードは酷すぎないか?笑
あれじゃあ、数学で戦争中に攻めてくる敵と戦う様なイメージ持っていた人多いと思うのだけど、、笑
戦争を止めようとしたと言っても勿論差し支えは無いのかもしれないけど、あの時点で起きるか分からない戦争のためというより、不正を正す、国家予算を私服に肥やさせないという目的のが強くない?
予算偽造とか菅田将暉が詐欺師呼ばわりとかされてたけど、これじゃ予告が詐欺みたいだ笑 


役としては柄本佑がとにかく可愛い。笑
案外すぐに自ら(菅田はなにも靡かせようとしていないのに)影響を受けて全力で支えていたのが好きだった。

菅田将暉の熱い演技はとてもかっこよく説得力もあり好きなのだけど、過去作と被って見えることも多く、少々飽きるタイミングもあるような。ただ最後の涙のシーンは美しくさすがだなあと思った。


何より田中泯が良い、、。佇まいからして見せかけではない説得力がある。いつまでも背筋がシャンとしていてかっこいいな、、。橋本功さんも好きだけど、今作の年長の軍人たちで違和感なかったのは田中さんだけかもしれない。
まあ軍人知らないので勝手なイメージだけど。

舘ひろしが山本五十六はあまりハマらなかったかなあ。見た目が渋いだけな印象。最初は良いかな、かっこいいかもと思ったけど、役柄的にも使えなさすぎたし笑笑
山本五十六出す必要あった?こんなにがっかりさせるならもっと関係ない人の方が良かったのではと思った笑 
無理言って引っ張ってきたのに丸投げで、その割に最重要戦略と思っているなら普通はもっと協力したり気にかけるよねというところが、説得力なかったなあ。



最初に述べた様に平山の言い分はわからなかったので個人的には二転三転の大どんでん返しとはいかなかったけど、最後の平山の戦艦大和の存在意義、そして菅田将暉への説き伏せ方、最後の終わり方はよかったな。
実際はどういう意図だったのか分からないけど、そして平山が必ずしも大局的に見られていたとも言えないかもしれないけど、一つの捉え方として、興味深いという意味で面白かった。
菅田将暉はどうすれば良かったのだろうね。そもそもアメリカにあのまま編入してしまった方がよかったのか、、


もう少し説得力の伴いつつのアップダウンというかハラハラドキドキ感が欲しかったけど、
(菅田将暉と柄本佑の動向からしか伺えなかったので色んな人が動いて大きな波の渦の中で必死に足掻いている様子がエンタメとしてもう少し見たかったかも)

こういうエンターテイメント映画は好きだな。
泣くものとか苦しいものとかラブストーリーものじゃなくて、ただほんわかでもなく楽しみたくてという時に、サスペンスではなく熱くなれる様なこういうジャンルの映画他にも知りたい笑
そして綺麗事だけでなく、一方からの視点だけではなく、悪者が絶対悪ではなく、清濁併せ呑むのかどうなのかという描写が凄く好み。


2024.02.29 U-NEXT
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