カンパッチー

15年後のラブソングのカンパッチーのレビュー・感想・評価

15年後のラブソング(2018年製作の映画)
3.9
ニック・ホーンビィ原作に外れなしと勝手に思っていましたが、この作品を観てさらにその気持ちを固めました。

序盤はすごくダルいんですけど、息子のジャクソンが出てからはとても良いんですよ、かなり辛い境遇なのにビクともしないで凛としていて、それでいて甘えてくるときは甘えるというとんでもない美少年。すでに父親と同じく将来は女を困らせる前兆があります。
それに反してイーサン・ホークと15年付き合って来たダンカンの駄目っぷり!ダンカンは熱烈なイーサンことタッカーオタクで熱烈すぎて周りが見えてないダメな部分がもうそのまま出ていて、イーサンとローズ・バーンとの食事会のときの会話がまんま月刊少女野崎くんの「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」という言葉そのままを本人に語ってしまうという愚の骨頂!痛いけどあるよなーとすごい同意してしまいました、いますよね、深読みしすぎるファン。

ロマンチックな展開といえば展開なんですが映画の世界ぐらい歌手と文通しちゃって恋しちゃうなんていう夢のある展開があってもいいですよね、タッカーと出会ったことで自分の人生を自分で切り開くことを、年齢や環境のせいにせずに歩み始めるアニー。この部分だけでも本当に良い映画でした。始めるのに遅すぎるってことはないんだと元気を貰えます。

エンドロールの彼も変わらぬ痛さで安心しました。