KingLeo

岬の兄妹のKingLeoのレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
2.5
冒頭の海のシーンから出航する船にフォーカスして、役者はシルエットだけで期待が高まる。他にも海のシーン以外でも忘れちゃったけど、幻想的な写し方で良かったのがあった。
やってる事はそんなタブーなのかな?illegalな商売は悪いが、win-winではないか。初デートに向かない映画ではあったが…
食い物のシーンが全部良い!腹減ってた時間帯だったってのもあったが、ピザもUFOも、缶コーヒーも全部美味そうだった!海鮮丼なんて食ってるシーンねえのに食いたくなったし、マック食ってるシーンなんて、ただのマックのステマだった。
上手いかどうかは置いといて、家族写真を手で伏せるシーンとかは分かりやすくママが亡くなってんのを演出していたが、ちょっと好きな写し方ではない。パンした時に気づく奴だけ気づく位のが好きだ。あざとい。
底辺とはいえ、数ある選択肢の中で、頭悪りー底辺が選択するであろう展開で、いいぞ!いいぞ!どんどん堕ちろ!って最初は思っていたが、果たしてこの展開は杓子定規ではないのか?と、ストーリーが展開してからは終着点への単なる通過点みたいに感じた。テーマは良いし、破天荒なキャラにした演出も良いけど、ストーリーが安直というか、まあ、よく言えば分かりやすい。色々謎な点はあるが。特にあんな優しい警察が身近にいるのにあいつは何でこんな奴がいるの内緒にしてんだ。助ける気本当はないんだろ?あんな妹隠してる様な奴だ、ママも埋まってんじゃねえか。って邪推してしまう。
小人のシーンだけなんで写真にしたんだろうか?物理的な問題なのか、小人だけ特別な、なんか意図のある演出だったのか…わからない。
プールのシーンはすげー良かった。日本人が大抵ウンコ大好きなのをよく知っている。場内も爆笑していた。そんな感じで、テーマは重いが結構クスッとするようなセリフが多かった。うろ覚えだが、監督自身が本なしで撮った様なんを言っていたので、その場のノリやアドリブで作った感じは言われてみたらそんな感じもする。
ラストはすげー優しい終わり方で笑った。ずるいが嫌いな終わり方ではない。ただ、これ、何を見せたかったんだ?とも思う。この映画は投げずにはっきりした方が挑戦的で良かったんじゃないか。なんかブレた。
確かにこれは自費でなきゃ無理だ。日本の商業では1年なんて無理だ。監督はもちろん1年付き合ってくれた演者やスタッフがすげーな。今の時代別に映画じゃなくても、ネット配信でも何でもあるし、ネットのがヤバイのいっぱいだ。
映画でこれをやったってとこなんだろうな。雰囲気は良い。間違いなく。自主だからこそ光る監督、作品か。こういうの見ると似たようなテーマのでも、完成度の問題で埋もれていくのがいっぱいあるんだろうなあ。これがヒットするのはなんか違う気がするし、そんな映画じゃない。持ちあげまくるのもなんだそれって感じだ。見世物小屋に似ている。差別とまでは言わないが、タブータブー言ってる奴らが勝手にタブー視してるだけだ。
障害者とかどうでもいい。そこよりも子供騙して何させてんだって言うとこのが問題だ。ちゃんと子供に説明して芝居させたんだろうか。そこはすげー気持ち悪い。
設定の詰めの甘さがなんか韓国映画っぽくもあった。これに更に宗教的要素も入れたら面白かったかも。救いの意味も込めて海外なら高確率で入れてる。そこは文化の違いか。
確かに絵面のインパクトはあった。テーマも良かった。それが大事でそれがすべてかも。ストーリーがちょっとアレだったけど。

助監…助監督…
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