いわゆるタブーをえぐる様な設定、この類いはキム・ギドク監督作品で免疫はできていたので、驚きは無く･･･やっと邦画でも深く切り込む作品が出て来たと思いつつ、自国のリアルさから来る衝撃がありましたね。
足の不自由な兄が仕事を干され、生活が困窮する中、罪悪感を抱きながら自閉症の妹への売春斡旋を始めてしまうドラマ･･･正に "ふるえながら生きていけ" ってキャッチコピーが印象に残り続ける余韻。
そう現実に戸惑い迷い震えまくる兄の姿、そして、別の意味で震える妹の姿･･･様々な対比が巧み。
まぁ、生活保護云々を簡単に持ち出してしまえばいいのだろうが、本作のポイントはそこではないので。
そして、この作品もラストの二人の表情･･･どう捉えるかで余韻が全く違って来ます。
なお、俳優陣では、兄役の松浦祐也の熱演は言わずもがな、妹役の和田光沙が迫真で圧巻の演技を披露してます。
最後に、すごい監督が現れたなぁと思ったら、あのポン・ジュノ監督や山下敦弘監督の助監督経験者で納得･･･片山慎三監督、次も攻めて下さい。
