しゅんまつもと

彼女はひとりのしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

彼女はひとり(2018年製作の映画)
3.7
「幽霊について」の映画だと思った。それは同時に「居場所について」の映画だと思った。

気付いたら愛という磁場の外側にいた主人公が復讐の形をとりながら、改めて自分の居場所を探していくそれと同時に、その場に居続ける幽霊が現れてサイコホラーの様相でスクリーンに映っているのは素直に面白かった。
バキバキの映像と高低差を使った撮影も良い。橋や坂という高低差が映画を演出していたように自分も思った。二人が夜に家を出て坂を下っていくあのシーン。そしてそのあとに起きること。
あとは、家屋の撮り方があまり日本の家屋に見えない撮り方をしていたのが新鮮だと思った。ふとしたときに、もうそこにいるというホラー演出がとても巧かったので今後も手法を替えながらホラー映画を見てみたい。インタビューでも早く商業映画を撮りたい、と口にしていたので、自分も若い世代の人が撮った日本のホラー映画を見たいと思う次第です。