Taka

この世界の(さらにいくつもの)片隅にのTakaのレビュー・感想・評価

4.5
この季節になると、恩師を思い出す。もう亡くなってしまったけれど、毎年戦争についての物語を通して、考える機会を与えてくれた。

この物語はある意味ですごくリアルだった。のほほんとしたすずさんの日常に段々と戦争が入り込んでくる。戦争の物語って、苦しく、暗いイメージだけど、その中でもひとは笑ったり、絵を描いたり、恋をしたり。要するに今と変わらない日常がある。戦争というものが、なんというか非連続的に日常を壊していく様子が巧みに描かれていた。当たり前に手を繋いでいたひとが、一瞬の出来事で消えてしまう。それ”が”日常になってしまう。その中でもひとは助け合って生きていったのだなと思った。戦争の恐ろしさと同時に、ひととひととのつながりの美しさを感じる良い映画だった。うーん、語彙力が欲しい…

アニメでしか描けない独特の心象風景が随所随所に使われていて、美しかった。柔らかなタッチだからこそ表現できるリアルな戦争の恐ろしさが心に響いた。

能年玲奈さんののほほん感がとってもマッチしててよかったです。
Taka

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