このレビューはネタバレを含みます
ノルウェーのウトヤ島で起きた狂信的単独犯による凶行。
「ウトヤ島、7月22日」という作品は未見だが同時期に同じ題材で描かれること、またそのアプローチも随分違うという点でも気になっていた。
こちらは事件そのものよりもその後の被害者の生活(主に身体的・精神的リハビリ)に焦点を当て、同時に犯人が行動を起こすに至った経緯・異常性を淡々と映し出す。
被害者の堪え難い苦しみを徹底的にリアルに描き、また犯人のある種強固な信念を寒々しく描き、それらが周囲に影響し様々な領域において変化を及ぼして行く様がこれまたリアリティをもって描かれていた。
手術の場面やリハビリの過程を丁寧に描き過ぎていて、これはいったい何を見せられていて何の映画なのだろうと思う時もあったが。