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ROMA/ローマのkaitoのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.3
師走も佳境ですね。2018年のトップテンもそろそろ確定してきた頃、まさかここに飛び込んでくる1つの映画があるとは…。
それが「Roma」です。Netflixオリジナル映画。この映画、内容をネタバレしてもあまり支障はないと思うけど、一応ネタバレなしゾーンとネタバレゾーンを設けます。

ある1つの家族を切り取った映画。あらすじはこれだけ。この映画、脚本やストーリーを楽しむ映画ではないと思う。それゆえ、苦手な人はいると思う。カメラワークがかなり好みだった。ある一点を軸に置いて、部屋全体を写したりする演出が多かった。カット割りも比較的長く感じた。それが、映画全体をリアルに感じさせていてすごくよかったと思う。そして子役含め、みな演技がよかった。子役は演技を忘れるくらい、ありのままの子供の姿を写したようで素晴らしかった。ほんとにある一部の生活を切り取ったような映画であった。









ネタバレあり(少しだけ映画の中身を話す。)
妊娠が発覚して、ソフィに打ち明けるシーンの緊張感はすごく伝わってきたし、このシーンが結構映画の中で好きなシーンかな。
ラストの方、出産がうまくいかず死産になることはわかってた。なぜならそういう演出が映画に散りばめられていたから。例えば、地震で瓦礫が赤ちゃんのベッドに降りかかるところを目の当たりにしたり、「1971年と赤ちゃんの無事出産を祝って!」乾杯をしたところで、カップが割れてしまうなど。それでも死産のシーンは泣けるものがあった。「本当は子供が欲しくなかった」という心境は、映画途中のクレオの表情からなんとなく察してた。

わりと繊細できめ細やかな映画。脚本を楽しむのではなく、映画が作り出した演出をしっかりと肌で感じる。それがこの映画の楽しみ方だと思う。
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